小麦粉の国内製造とは?国産小麦との違いや安全性を徹底解説!
パンやうどん、お好み焼きなど日常の食生活に欠かせない小麦粉。
できるだけ安心できる国産の小麦粉を使いたいものですが、国内製造と国産小麦の違いを知っていますか?
国内製造と国産小麦、どう違うのか気になりますよね。
この記事では、小麦粉の国内製造と国産小麦の違いと安全性を徹底解説します。
- 小麦粉の国内製造と国産小麦の違いを知りたい
- それぞれの違いと安全性を知りたい
小麦粉の国内製造とは?
小麦粉の国内製造とは、小麦粉が日本国内で製粉されたものであることを表しています。
小麦粉は輸入される段階では粒状です。
輸入された小麦はサイロと呼ばれる港にある倉庫で保管され、その後製粉工場へ運ばれます。
各製粉工場に搬送された小麦は粉状に加工されて小麦粉となります。
「国内製造」は、最終的に製粉加工された場所が日本国内であることを表しており、小麦の産地が国内ということではありません。
原料原産地表示制度と呼ばれる制度があり、全ての加工食品の1番多く使用されている原材料について、産地の表示が義務付けられています。
表示方法としては、使用原材料の重量が多い順に表示する「国別重量順表示」、「製造地表示」、原産地が複数ある場合の「又は表示」、輸入表示ができる「大括り表示」があります。
国産小麦を使用している場合も、製粉されるのは日本国内であることから「小麦(国内製造)」と表記される場合があります。
また、日本における小麦の自給率は令和3年度調査で12%程度ととても低いのが現状です。
約85%もの小麦はアメリカやカナダ、オーストラリアなどから輸入しており、小麦粉の「国内製造」と書かれてあるものは、外国産の小麦を原料として使用している可能性が高いです。
小麦粉の国内製造と国産小麦との違い
それでは、小麦粉の「国内製造」と「国産小麦」はどのように違うのでしょうか?
「国内製造」と記載されている小麦粉の多くは、輸入小麦が使用されているため比較的安価で手軽に購入できます。
一方、「国産小麦」は国産小麦を使用しているため、輸入小麦を使用した国内製造のものよりも値段は高く、スーパーで販売されている商品も限られたもののみの場合が多いです。
国内製造 | 国産小麦 | |
---|---|---|
原産国 | 日本以外の可能性がある | 日本 |
製粉加工 | 日本 | 日本 |
価格 | 安い傾向 | 高い |
また、市販の国産小麦粉の表示は3つのパターンに分けられます。
1つ目は、「国産小麦100%使用」です。
国内で栽培、製粉、製造された国産小麦を100%使用しているものです。
2つ目は、「国産小麦使用」です。
使用割合は記載されていませんが、「国産小麦使用」は国産の小麦を100%使用した場合に表示できます。
食品表示基準によると、使用割合が100%の場合は、割合の表示を省略することができます。
しかし、国産小麦が80%、外国産小麦を20%使用したパンを「国産小麦使用」と表示すると、景品表示法違反(優良誤認)となり罰せられます。
3つ目は、国産小麦の表示はないですが、「小麦(アメリカ又は日本)」です。
この場合、使用が見込まれる重量割合の高いものから順に、「又は」でつないで表示しています。
その為、時期によってはアメリカ産小麦100%使用の場合もあるということです。
原材料やパッケージ表記 | 特徴 |
---|---|
国産小麦100%使用 | 国内で製造、製粉された小麦を100%使用 |
国産小麦使用 | 国内産小麦と外国産小麦のブレンドによる使用の可能性あり |
原材料:小麦(アメリカ又は日本) | 時期により、アメリカ産小麦100%使用の可能性あり |
国内や日本という表示が含まれているだけでは安心できません。
購入する際は、表示を確認して、国産小麦100%使用の表示がある商品を選択するようにしましょう!
市販の小麦粉のパッケージ表示を解説!
写真左の小麦粉は、「ニップン 日本の小麦粉(薄力小麦粉)」です。
原料の小麦粉は「北海道産小麦100%使用」です。
国内産小麦にこだわり、北海道産小麦100%でつくった薄力小麦粉です。
また、写真右の小麦粉は、「ニップン 強力小麦粉 ゆめちからブレンド」です。
原料の小麦粉は「北海道産小麦100%使用」です。
北海道産「ゆめちから」55%以上と北海道産小麦をブレンドした強力小麦粉です。
国内産であることに加え、産地まで明記してあるとより安心できますね。
次の写真は「トップバリュの薄力小麦粉」です。
小麦粉の産地に関してメーカーへ問い合わせたところ、時期によって配合変更があり、「アメリカ産」の場合、「アメリカ産と国産の両方」、「国産」の場合があるとの回答でした。
季節や世界情勢により配合が変わった場合でも、ホームページ等に記載はないので、安心とは言い切れないですね。
小麦粉の国内製造の安全性を徹底解説!
ここでは、小麦粉の国内製造の商品の安全性を解説します。
アメリカ産の小麦には、日本では使用が禁止されているポストハーベスト農薬が問題となっています。
ポストハーベストとは、輸出する際、防虫や防カビのために、収穫(ハーベスト)の後に農薬散布(ポスト)を行うことです。
発がん性が疑われている除草剤ラウンドアップの主成分である、グリホサートの残留調査として、2019年6月に、学校給食のパン14製品を検査しました。14製品中、国内産小麦100%使用と、米粉を使用した2製品からはグリホサートは検出されず、他の輸入小麦で作られたパン12製品からはグリホサートが検出されました。
グリホサートの残留農薬基準は、2017年に基準値が6倍に引き上げられており、輸入小麦から作られたパンやパスタなどから知らずに摂取している可能性があります。
グリホサートの安全性には疑問があるため、国内製造の小麦粉には注意が必要ですね。
外国産小麦の安全性については、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ
今回の記事では、小麦粉の国内製造と国産小麦の違い、そして安全性を徹底解説しました。
「国内製造」と表記があると、国内で作られた安心安全なものを想像する方が多いと思いますが、必ずしもそうではありません。
国内製造の小麦は、輸入された小麦が国内で製粉加工されたことを意味しており、国産の小麦を使用したものという意味ではありません。
安心安全な食生活を過ごすため、できる限り国産の小麦粉を探してみてくださいね!
安心な国産小麦粉のおすすめは、こちらを参考にしてください!
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