ぬちまーすと雪塩はどっちが健康にいい?製造方法や栄養素の違いを管理栄養士が徹底比較
毎日の食生活に欠かすことのできない塩。毎日使うものだからこそ、健康によい塩を選びたいですよね。
沖縄県産の海水を使用した「ぬちまーす」と「雪塩」は安心で健康に良いと話題です。
そこで今回は、沖縄の塩「ぬちまーす」と「雪塩」はどっちが健康にいいか、塩の使い分けの情報を管理栄養士のまっすーが徹底調査してみました。
- ぬちまーすと雪塩どっちが健康にいいか知りたい
- 塩の使い分けについて知りたい
ぬちまーすと雪塩の製造方法の違い
ぬちまーすと雪塩の製造過程での大きな違いは、乾燥方法です。
まずはぬちまーすの製造方法をみてみましょう。
ぬちまーすの製造方法
原材料名 | 海水(沖縄県宮城島) |
工程 | 逆浸透膜、噴霧乾燥、低温焼成 |
- 海水を逆浸透膜で濃縮ろ過し、濃縮海水をつくる
- 円盤を高速回転させて海水を細かい霧にする
- 発生した霧に温風を当てる
- 瞬時に水分だけが蒸発して塩分とミネラルがすべて空中で結晶化する
- スタッフが完成した塩を回収し、乾燥・ふるいかけをする
- 一つ一つ手作業で検品し包装
ぬちまーすは世界初の「常温瞬間空中結晶製塩法」という細かい霧を発生させて塩を作る製塩法を採用しています。
海水を細かい霧にして乾燥させることで、瞬間的に水分のみを蒸発させ結晶化します。
真っ白でサラサラとしており、雪のような結晶の塩が作られます。
この独自の製法によって、ぬちまーすのきめ細かなおいしい塩が作られるのですね!
続いて、雪塩の製造方法を解説します。
雪塩の製造方法
原材料名 | 海水(沖縄県 宮古島) |
工程 | 逆浸透膜、加熱ドラム |
- 地下海水を汲み上げ、逆浸透膜で濃縮ろ過し、濃縮海水をつくる
- アツアツに加熱した金属板の上に濃縮海水を吹き付ける
- 水分を2秒間で瞬時に蒸発させて製塩する
- 粉末状になった塩を採塩する
- 製塩した塩をふるいにかけ、580μm以下の粒にする
- 検品し包装する
ぬちまーすは温風をあてて空気中で乾燥させるのに対し、雪塩は、金属板の上に吹き付けて乾燥させます。
乾燥方法が若干違いますが、逆浸透膜を使って濃縮海水を作り、瞬時に乾燥させる点は同じです。
瞬時に乾燥させる工程がサラサラの塩になる決め手なんですね。
ぬちまーすと雪塩の栄養素の違い
ぬちまーすと雪塩の栄養素の違いを解説します。
まずは、ぬちまーすと雪塩の栄養成分をみていきましょう。
ぬちまーす | 雪塩 | 一般的な食塩 | |
---|---|---|---|
熱量 | 0kcal | 0kcal | 0kcal |
たんぱく質 | 0g | 0g | 0g |
脂質 | 0g | 0g | 0g |
炭水化物 | 0g | 0g | 0g |
食塩相当量 | 75.5g | 72.6g | 99.5g |
マグネシウム | 3360mg | 3310mg | 18mg |
カリウム | 970mg | 1000mg | 22mg |
カルシウム | 700mg | 832mg | 100mg |
鉄 | 0.41mg | 0.14mg | Tr(微量) |
食塩相当量は、ぬちまーすが3gほど多いです。
マグネシウム、鉄の含有量が多かったのはぬちまーすでした。
一方カリウム、カルシウムの含有量が多かったのは雪塩です。
ぬちまーすと雪塩は若干の差はありますが、ミネラルの含有量に大きな差はありませんでした。
一般的な食塩の栄養成分とも比較をしてみましょう。
一般的な食塩にはミネラルがほとんど含まれていません。
ぬちまーすと雪塩はどちらもミネラルが豊富に含まれていることが分かりますね。
ぬちまーすと雪塩は、濃縮海水を瞬時に加熱することによって、にがりと塩が分離せずに塩の中に含まれます。
にがりとは海水から塩をつくる際にできる余剰なミネラル分のことで、おもにマグネシウム、カリウム、カルシウムなどで構成されています。
ぬちまーすや雪塩はにがり成分が多く含まれているので、ミネラルがたくさん含まれています。
ミネラルがたくさん含まれている塩は塩化ナトリウムの食塩相当量が少ないので、健康によい塩だということが言えますね。
ぬちまーすと雪塩はどっちが健康にいい?
ぬちまーすも雪塩も人気の高い沖縄の塩ですが、どちらが健康によいのでしょうか。
結論から言うと、ぬちまーすも雪塩もミネラルが豊富に含まれていてどちらも健康にいい塩です。
取水する場所に着目してみると、ぬちまーすの原材料となる海水は沖縄本島と海中道路で結ばれた標高100m前後の高台の宮城島で取水されています。
浅瀬にはサンゴ礁が広がり、沖は流れが速く圧倒的な透明度を誇ります。
その宮城島の太平洋側の海水のみを原料としているため、まろやかな美味しい塩ができあがります。
一方、雪塩は地下22m地点の地下海水を取水しています。
琉球石灰岩という細かい穴がたくさんあいている隆起サンゴ礁が、天然のろ過装置の役割を果たしてくれるので、不純物の少ないきれいな海水を取水できます。
また、琉球石灰岩の中に含まれるカルシウムなどの成分が地下海水に染み出すので、それらの成分が溶け込んだ海水です。
取水方法は異なりますが、どちらの塩も沖縄のきれいな海水を瞬時に乾燥しているため、ミネラルたっぷりで食塩相当量の少ない健康的な塩です。
塩の違いを知って使い分けよう
ぬちまーすと雪塩は海塩という種類の天然塩です。
天然塩には海塩、湖塩、岩塩があります。
その中でも日本でよく使われる海塩は、マグネシウム・カリウム・カルシウムなどのミネラルが豊富に含まれている塩です。
まろやかな味が特徴で、ほんのり甘味を感じることができます。
そのため、おにぎりやゆでたまご・天ぷら・串焼き・焼肉などのつけ塩として使うと素材の旨味を引き立てます。
ここでぬちまーすと雪塩のおすすめの使用方法を紹介しますね。
炊飯時に米3合に対し、小さじ1のぬちまーすを入れるとふっくら炊きあがります。
ぬちまーすを入れて炊飯してみましたが、水分量は変えていないのに、もっちり感が増しておいしく食べることができます。
お菓子作りの隠し味として使用したり、バニラアイスにふりかけると味が引き立ちます。
実際にバニラアイスに雪塩をかけて食べてみましたが、甘味が引き立ち、普段と違ったおいしさが味わえます。
お菓子といえば沖縄の定番土産、雪塩ちんすこうが有名です!
塩によって食材の相性があるので、いろいろ試しながら塩と食材のおいしい組み合わせを探してみるのも良いですね。
塩分過多は健康へのリスクがあるので、摂り過ぎには注意してください。
ぬちまーすと雪塩は天然塩で無添加ですが、添加物が使われている塩や体にいい塩について「塩に添加物って使われている?体にいい本物の塩の選び方とは?」の記事で詳しく解説しています。
まとめ
今回の記事では、ぬちまーすと雪塩はどっちが健康にいいか、製造方法や栄養素の違いを徹底調査しました。
ぬちまーすも雪塩も濃縮させた海水を瞬時に乾燥させる製造方法なので、どちらの塩もミネラルを豊富に含んだ健康によい塩です。
適量の塩を摂りながら、健康な毎日を過ごしていきたいですね。
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