高級食パンが体に悪いと言われる5つの理由。知らないとマズいブームの裏側を徹底解説!
ふわっとした軽い食感に、上品かつ甘くてリッチな口当たりが特徴の高級食パン。
数年前に高級食パンブームが起こり、今では全国各地の様々なお店から高級食パンが販売されています。
高級だから安心安全と思う人がいる一方で、高級食パンは体に悪いのではないか?と心配している人もいるのではないでしょうか?
この記事では、高級食パンが体に悪いと言われる理由について解説していきます。
高級食パンが体に悪い理由①輸入小麦が使われている
高級食パンが体に悪いと言われる理由の一つは、輸入小麦が使われていることです。
パンの主原料といえば、もちろん小麦。日本で流通している小麦のうち約9割がアメリカやカナダ、オーストラリアからの輸入小麦です。
輸入小麦の一番の問題点は、残留農薬です。
輸入小麦の問題①プレハーベストの懸念
農林水産省の調査では、アメリカ・カナダから輸入された小麦の約9割からグリホサートが検出されています。
グリホサートとは、除草剤の主成分です。
雑草などを処理するため、農地や公園・校庭、駐車場などで使用されています。
日本が小麦を輸入するアメリカ、カナダでは収穫前にこのグリホサートを散布する「プレハーベスト」が行われています。
グリホサートを散布することにより、小麦を乾燥させ収穫時期をコントロールしたり、品質の向上などを図ることができます。
グリホサートは様々な健康被害に関する報告が上がっています。
国際がん研究機構(IARC)はグリホサートを”「ヒトに対する発がん性が恐らくある」とするグループ2A に分類”しています。
また、”生殖や子どもの発達に影響を与える”という報告もあります。
引用:グリホサートの規制・禁止は世界の流れ(4/4)(2020年8月10・17日 合併号 第1420号) (nouminren.ne.jp)
グリホサートの規制・禁止は世界の流れ(4/4)(2020年8月10・17日 合併号 第1420号) (nouminren.ne.jp)
こうした背景の中で、世界ではグリホサートの使用禁止や規制強化を図る動きが広がっています。
一方で、日本の食品安全委員会や米国衛星研究所(NIH)などは、発がん性や遺伝毒性は認められないとしています。
そして日本では2017年12月、小麦の残留農薬基準は大幅に緩和されたのが実情です。
輸入小麦の問題②ポストハーベストの懸念
一方、収穫後の農産物に殺菌剤や防カビ剤を散布することをポストハーベストといいます。
- ポストハーベストは、農作物を長期間保管したり、海外から輸送する間に発生するカビや腐敗、害虫の被害などを防ぐために使用されます。
- ポストハーベストは雨や風、日光の影響を受けないため、農作物の栽培中に散布される農薬とは違い残留濃度が高いと言われています。
健康に影響がでないように農薬残留量の基準値が設けられていますが、中には発がん性や催奇形成が疑われる薬剤も存在するため、人体への影響が懸念されます。
高級食パンが体に悪い理由②ショートニングが使われている
高級食パンが体に悪いと言われる2つ目の理由は、高級食パンの中には油脂として、ショートニングやマーガリンが使われることがある点です。
この過程で作られるトランス脂肪酸が体に悪いとされています。
トランス脂肪酸は、過剰摂取することにより心疾患、脳血管疾患、糖尿病などのリスクが高まることが報告されています。
WHOは
”トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくする”
引用:すぐにわかるトランス脂肪酸:農林水産省 (maff.go.jp)
と勧告しています。
海外では厳しい規制や、含有量の表示義務などがあります。
日本でも、トランス脂肪酸の摂取量を総摂取エネルギーの1%相当以下にし、さらにできるだけ少なくすることが望ましいとしています。
ただ、日本では現在のところトランス脂肪酸は過剰摂取はしていないという理由で規制も表示義務もありません。
また、ショートニングやマーガリンの原料の多くは大豆油や菜種油などの植物油脂です。
これらの原料に遺伝子組み換え作物が使われている可能性が非常に高いことも不安材料の一つです。
高級食パンが体に悪い理由③パン用改良剤が使われている
高級食パンが体に悪いと言われる理由は、パン用改良剤が使われている可能性がある点です。
パン用改良剤とはパンの食感をよくしたり、乾燥しないように保水性を高めたり、ボリュームを増加させるために使われるものです。
添加物のような役割をもつものですが、製造過程で分解・除去され完成した製品には残像しないため、添加物として表記する必要がありません。
パン用改良剤は様々な種類のものがありますが、その原材料は乳化剤や酸化剤、還元剤、酵素といったいわゆる食品添加物そのもの。
特に、パン用改良剤として使用される「臭素酸カリウム」には発がん性が指摘されています。
国際がん研究機関(IARC)は「ヒトに対して発がん性があるかもしれない」とし、EUやイギリス、中国などでは使用禁止となっています。
しかし、日本では使用基準を明確に設けた上で、使用が認められているのが現状です。
参照:食品安全委員会・臭素酸カリウム https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheet-kbro.pdf
高級食パンが体に悪い理由④そもそも砂糖・脂質たっぷり
高級食パンが体に悪いと言われる4つ目の理由は、砂糖やバターなどをたっぷり使用している点です。
高級食パンはジャムをつけなくても充分甘く、ふわふわの食感が醍醐味の一つ。
甘くてふわふわしているのは、砂糖などの甘味と生クリームやバターなどの脂質がたっぷり使われているからです。
一般的な食パンと高級食パンAの原材料を比べてみましょう。
高級食パンA | 小麦粉、生クリーム、砂糖、無塩バター、加糖練乳、はちみつ、食塩、酵母、黒糖 |
一般的な食パン | 小麦粉、砂糖、バター(マーガリン)、パン酵母、食塩 |
高級食パンには油分として生クリームやバター、甘味として砂糖だけでなく、加糖練乳やはちみつなどが使われています。
だから、あんなに甘くてふわふわでリッチな味わいになるのですね。
次に、高級食パンAと一般的な食パンの100gあたりの栄養成分を比較してみます。
高級食パンA | 一般的な食パン | |
---|---|---|
熱量(エネルギー) | 286 Kcal | 264 Kcal |
たんぱく質 | 8.5 g | 9.3 g |
脂質 | 8.3 | 4.4 g |
炭水化物 | 44.4 g | 46.7 g |
カロリーやたんぱく質、炭水化物に関しては大きな差はありません。
しかし、脂質に関しては高級食パンAは一般的な食パンに比べて約2倍です。
甘くてふわふわな食感のパンは、自然と咀嚼回数も減ってしまいます。
高級食パンは食事として食べる食パンとは違い、スイーツのような存在だと捉えた方が良いかもしれません。
高級食パンが体に悪い理由⑤小麦グルテンの問題
高級食パンが体に悪いと言われる5つ目の理由は小麦グルテンにあります。
小麦粉にはグルテン・グリアジンというタンパク質が含まれています。
このタンパク質に水分を加えこねることによって弾力と粘り気をもつグルテンが作られます。
パンに使用される小麦粉は強力粉ですが、強力粉は薄力粉や中力粉に比べるとグルテンが多く含まれます。
現代の小麦は昔の小麦とは違い、品種改良を重ねグルテンが強くなっています。
グルテンが強い小麦は消化しにくく、様々な不調につながると言われています。
例えば代表的な疾患としてセリアック病があります。
- セリアック病は自己免疫疾患のひとつで、自分の免疫システムが自らの組織を攻撃してしまう病気で、グルテンによって小腸が炎症を起こすことが原因です。
- セリアック病は日常的に小麦を多く食べる欧米・北欧の国での発症が多い疾患です。
- その他、過敏性腸症候群や潰瘍性大腸炎などの腸疾患、うつや統合失調症、自閉症などの精神疾患、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患、生活習慣病などのがグルテンとの関係について海外では多くの論文が報告されています。
参考:グルテンフリーと小麦アレルギーの違い|一般社団法人日本フードバリアフリー協会 (foodbf.jp)
参考図書:「パンと牛乳は今すぐやめなさい!」内山葉子 マキノ出版
高級食パンが体に悪いと言われる5つの理由。知らないとマズいブームの裏側を徹底解説!まとめ
高級食パンが体に悪いと言われる理由について解説しました。
私たちが「美味しい」と感じる高級食パンには、様々なウラがありましたね。
安心安全な高級食パンを食べたい場合は原材料を必ず確認しましょう!
購入する際は「国産小麦のもの」、「ショートニング不使用のもの」など選ぶ基準を明確にすると良いかもしれません。
そして、安心安全な高級食パンでも食べすぎには注意しましょう!
コメント