PFOA含有フライパンの危険性は?安全に使う方法まとめ
PFOA(通称ピーフォア)とは何かご存じですか?
フッ素加工樹脂フライパンをネットで検索すると、PFOAの危険性について出てきます。
ネットでは「フッ素加工フライパンが危険」と書いてありますが、実際にどんな危険性があるのでしょうか?
危険と言われているのに、なぜまだ売られ続けているのでしょうか?
そんな疑問を解決する記事です。
安全に使用するための方法についても解説します。
家族のためにも、正しい知識を身に着けていきましょう。
フライパンに使われるPFOAの危険性とは?
もう何年も前になりますが、フッ素加工樹脂(テフロン)フライパンを開発したアメリカのデュポン社の工場のまわりで、牛が何頭も死んだり、従業員の女性から奇形の子どもが産まれたりと問題が起きました。
PFOAとはフッ素加工フライパンを作る際の補助剤として、長年使われていました。
このPFOAのせいでデュポン社の周りで健康被害を訴える人が多くなったのです。
そのことで問題視されるようになり、アメリカでは近くに住む市民7万人を疫学調査をすると、このような症状が出ていたそうです。
- 甲状腺機能異常
- 腎細胞癌
- 精巣がん
- 妊娠高血圧・高血圧
- 腎症高コレステロール
- 潰瘍性大腸炎
日本でははっきりしたデータがないとのことで、公表されていません。
県ごとにPFOAの症状を載せていますが、一例としてこのようなものでした。
目のかすみ・咳、のどの痛み など
神奈川県のPFOAに対する健康影響についてはこのように書かれていました。
PFOSについては、ヒトにおける生殖影響や高曝露後の急性毒性等に関するデータはありません。発がん性についても、国際的に主要な評価機関による評価がなされておらず、ヒトの疫学データから発がん性があるとのデータは得られていません。
PFOAについては、ヒトにおいて皮膚に付着すると発赤、痛みを、眼に入るとかすみ眼を、吸入すると咳や咽頭痛を、経口摂取すると腹痛や吐き気、嘔吐を生じるといった症状が報告されています。
なお、国ではPFOS及びPFOAについて、特にWHO等の動向に注意を払いつつ、情報収集を図る必要性があるとしています。
引用:https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/suisitu/joukyou/yuukihussoqa.html#04-2
こちらのYouTube動画を見ていただくと、日本では重い症状が出てからしか行動できないという対応の遅さを感じることができます。
PFOAは人工の化学物質なので、水や油もはじく性質があり、地球上で分解されにくい物質になります。
製造している工場の周りでは 汚染された水が地下水に入り込み、この水を使って育てた野菜を食べた住民のPFOAの血液濃度が高いと判明しました。
今は症状が出ていなくても血中濃度が高いため、いずれどんな症状が出てくるかわかりません。
工場の近くに住んでいなくても、PFOAが含まれるフライパンを使用後に洗っていれば、水道水もいずれは汚染されることが予想されます。
なぜPFOA含有のフッ素加工フライパンは売られ続けていたの?
重い症状が出てくれば政府として発表せざるを得ないですが、それまではフッ素加工樹脂フライパンも手軽で便利なので売られ続けていったと思います。
しかし、2021年10月に日本でPFOAの規制が始まったため、2022年からの製造品にはPFOAは入っていません。
自主的に規制する方向で動いたメーカーも多いので、実際は2013年からPFOAフリーにしているメーカーもあります。
ただし、日本や、アメリカやヨーロッパなどで作られた製品は安心ですが、中国や、アジア圏はもう少し規制が遅れていると思うので、購入する際は生産国を見るのが安心かもしれません。
安全にフッ素加工樹脂フライパンを使うなら?
ご家庭にフッ素加工樹脂フライパンを持っている家庭はたくさんいらっしゃると思います。
やっぱり便利だし、他のフライパンに変えるのはちょっと…とお思いの方もいますよね。
そこで、安全にフライパンを使っていただくための方法をまとめました。
コーティング剤の剥がれや劣化を防ぐために金属製のヘラなどで料理しないことや、料理を作ったらそのまま保存してはいけません。
また、料理をした後すぐ洗ってしまうと熱が急激に下がってしまい、これも劣化の原因になります。
適度な大きさのフライパンを使うことで、フライパンに対して食材が少なすぎて空焚き状態になるのを防ぎます。
空焚きをするとPFOAが溶け出してくるので注意が必要です。
PFOAフリーのフライパンを買う
最初からPFOAが入っていないフライパンだったら、そこまで神経質にならずに済みます。
日本では、2021年の10月まではPFOAへの規制がなかったためPFOAが入っている可能性があります。
そのため今製造されているものは全く問題ありませんが、1年前のフライパンが売られている可能性もあるため、PFOAフリーと書いてあるフライパンを買うのが一番安全です。
PFOAの危険性を減らすにはコーティングをどんな種類にすればよい?
フッ素加工フライパンのコーティング剤はいろんな種類が売られています。
どんな特徴があるのか調べてみました。
ダイヤモンドコート
ダイヤモンドを含んでおり強度があるので、普通のテフロンより長持ちします。
マーブルコート
大理石を混ぜたもので、普通のテフロン加工よりも長持ちします。
ハードコート
セラミックなど硬い素材を混ぜ込んでいるため傷がつきにくく、長持ちします。
金属製の調理器具を使っても問題ありません。
チタンコート
チタンを混ぜ込んであり、かなり強度があります。
普通のテフロン加工よりも耐久性がアップしています。
この4種類の中から選べば、劣化しにくく安心ですね。不安な方はさらに何層でコーティングされているかチェックして選ぶと、いいかもしれません。
まとめ
PFOAの毒性については日本では、データがないのできちんと発表はされていませんが、アメリカでの疫学データでは様々な症状が出ています。
家族の安全を守るために安いから買うのではなく、安全性と利便性のバランスを考えてご家庭に合った調理器具を選んでいただきたいと思います。
もちろん一般的なテフロンのフライパンでも、正しい扱い方なら危険性は減ります。
逆にダイヤモンドコートなどコーティングにこだわったフライパンも、扱いが悪ければ長持ちせず、劣化してしまいます。
まずはできることから始めてみることがおすすめです。
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