ネオニコチノイド系農薬が人体へ及ぼす影響|子どもの発達に与える最大のリスク

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ネオニコチノイド系農薬が人体へ及ぼす影響|子どもの発達に与える最大のリスク

今や世界でもっとも使われている農薬の一つ「ネオニコチノイド系農薬」。

殺虫剤として強い効果を発揮しているネオニコチノイド系農薬ですが、近年人体への影響が指摘されています。

ネオニコチノイド系農薬が人体へ具体的にどのような影響を及ぼしているのか、気になりますよね。

この記事では、ネオニコチノイド系農薬が人体に与える影響を具体的に解説します。

また、特に影響が大きいとされている子どもへの悪影響や世界におけるネオニコチノイド系農薬の使用状況も解説します。

この記事はこんな人におすすめ
  • ネオニコチノイド家農薬が人体へ及ぼす影響を知りたい方
もくじ

ネオニコチノイド系農薬が人体へ及ぼす影響

ネオニコチノイド系農薬は、神経の働きに異常をきたす可能性があることが2012年、日本人科学者による研究で明らかになっています。

「ネオニコチノイド」は、ニコチンと成分が似ている特徴があることから、このような名前が付けられました。

ニコチンは人体に有害ですが、ネオニコチノイド系農薬は人体にどのようなメカニズムで神経の働きに異常をきたすのでしょうか。

通常、情報は神経伝達物質を介して脳に伝えられます。

主な神経伝達物質の一つであるアセチルコリンは、自律神経や中枢神経系の伝達において欠かせない物質です。

アセチルコリンは、情報を伝える際にニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に結合し、信号がオンになり情報が伝達されます。

ネオニコチノイドは化学成分がニコチンに似ていることからニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に誤って結合してしまいます。

ネオニコチノイド系農薬が誤って結合してしまった結果、神経系が過剰に刺激され、異常を引き起こしてしまうのです。

1990年代にネオニコチノイド系農薬の使用が始まった当初は、人体の神経細胞にはほとんど影響ないと考えられていました。

しかし、最近の研究によって、ネオニコチノイド系農薬が昆虫だけでなく人間の神経にも影響を及ぼす可能性があることが明らかになりました。

ネオニコチノイド系農薬と成分が似ているニコチンは低濃度でも胎児などに影響を及ぼすことがわかっています。

では、ネオニコチノイド系農薬は具体的に子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。

参考:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0032432

ネオニコチノイド系農薬が子どもの発達に与える最大のリスク

ネオニコチノイド系農薬が子どもの発達に与える最大のリスクは、発達神経に異常をきたすことです。

ネオニコチノイド系農薬が特に影響を与えるのは、発達段階における子どもの神経とされています。

ネオニコチノイド系農薬が子どもに与える直接的な悪影響は明らかになっていませんが、構造・作用が似ているニコチンは胎児やこどもの認知能力や行動、学習能力に影響を及ぼすリスクがあります。

これらの研究データから、EUではネオニコチノイド系農薬のアセタミプリドとイミダクロプリドが発達中のヒトの神経系、特に脳にダメージを与える可能性があると結論付けています。

子どもの脳への悪影響が示唆されている以上、ネオニコチノイド系農薬には注意が必要ですね。

参考:https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0032432
https://www.efsa.europa.eu/en/press/news/131217

ネオニコチノイド系農薬の影響は人体以外にも

ネオニコチノイド系農薬は、人体以外にも影響を及ぼしています。

ネオニコチノイド系農薬による被害が最初に明らかになったミツバチは、ネオニコチノイド系農薬を摂取する事で神経系に異常をきたします。その結果、巣の位置が分からなくなってしまい、花粉を十分に運べずにミツバチの大量死を引き起こしてしまうことが原因です。

殺虫用に使われたネオニコチノイド系農薬の影響はミツバチだけではありません。ネオニコチノイド系農薬でコーティングされた種子を鳥がつついて食べると、死に至ってしまう事例も報告されています。

また、ネオニコチノイドは水に溶け出しやすい性質を持っているため、周辺の用水路や川に流出します。

オランダの研究チームが行った実験では、ネオニコチノイド系農薬の使用量が増えるほどハエやカゲロウ、カタツムリなどが減っていることが明らかになっています。

これらの昆虫が減ってしまうことで、昆虫を食べる生物のエサが減り、生態系全体へ影響を及ぼすことも懸念されているのです。

ミツバチの大量死から始まり、生態系全体への悪影響が明らかになってきているのですね。

参考:https://abcbirds.org/news/birds-bees-and-aquatic-life-threatened-by-gross-underestimate-of-toxicity-of-worlds-most-widely-used-pesticide-2/

世界におけるネオニコチノイド系農薬の使用状況

ネオニコチノイド系農薬がもたらす悪影響が指摘され始めて以降、世界各国で規制や禁止する取り組みが広がっています。

ここでは、世界のネオニコチノイド系農薬の使用状況を解説します。

国名禁止・規制など農薬名備考
EU使用禁止・イミダクロプリド
・クロチアニジン
・チアメトキサム
・フィプロニル
・チアクロプリド
ハウス以外の屋外での使用が禁止。
米国新規登録禁止・イミダクロプリド
・クロチアニジン
・チアメトキサム
・ジノテフラン
新規登録を禁止し、規制を強化。
韓国新規・変更登録禁止・イミダクロプリド
・クロチアニジン
・チアメトキサム
EUを基準とし、新規登録と変更登録を禁止。

EUでは、ネオニコチノイド系農薬が子どもの脳に有害であると結論付けられていることや、生態系への影響を考慮してネオニコチノイド系農薬の使用禁止が広がっています。

アメリカや韓国でも、ネオニコチノイド系農薬の新規登録を禁止しているものがあります。

世界と比較した日本のネオニコチノイド使用状況を比較したものは、別の記事で解説しています。

(内部リンク予定:日本のネオニコチノイド系農薬は危険!使用状況を禁止国と比較してみた)

まとめ

ネオニコチノイド系農薬が人体へ及ぼす影響と、子どもの発達に与えるリスクについて解説しました。

ネオニコチノイド系農薬は害虫駆除に高い効果を発揮しますが、ニコチンと化学構造が似ていることから人体にも影響を及ぼすことが指摘されています。

特に、胎児や幼児期における脳の発達に悪影響を及ぼす可能性が高く、EUやアメリカなど世界的には規制・禁止されるネオニコチノイド系農薬が増えています。

世界で最も使われているネオニコチノイド系農薬ですが、決して安全とは言えません。

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この記事を書いた人

‘94年生まれ、たべることが大好きな管理栄養士で2児の母です。自身の体調不良と子どもたちの「味覚を守りたい」という想いから、1年ほど前に無添加生活をスタート。Instagramでは食育×身体にやさしい保存食レシピを中心に紹介しています。

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